110327_放射能
2011/03/27 読売朝刊 長崎大名誉教授 長滝重信 放射線影響研究所理事長
ベクレル 放射能を出す能力
一般の放射能ヨウ素の暫定規制値(健康被害を及ぼさない最高値) 300ベクトル/1キログラム
乳児の放射能ヨウ素の暫定規制値(健康被害を及ぼさない最高値) 100ベクトル/1キログラム
ヨウ素のうち甲状腺に残るのは10〜40%、残りは24時間以内に尿として排泄
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教科書から(途中ですが…)
Bq(ベクレル) 放射線物質の量を表す単位
Bq(ベクレル) 毎秒当たりの崩壊数
カリウム40 自然放射性物質で体内に3000Bq
1MBq 1000000Bq
骨シンチグラフィーでテクネシウム99m、740MBqを患者に注射
Sv(シーベルト) 被爆線量
Gy(グレイ) 患者が受ける線量の単位
1Sv 1Gy
被爆部位 重要
被爆による不妊 生殖器官に大量の被爆
奇形児の生まれる可能性 妊娠初期の女性が下腹部に多量の被爆し、胎児が被爆
被爆による白血病 赤色骨髄(成人では骨盤、胸骨、大腿骨の骨端)に被爆しない限り発生しない
しきい線量(安全線量) 被爆した人のうち1〜5%に影響が現れる線量
急性被爆のしきい線量(Gy:グレイ = Sv:シーベルト)
被爆部位:胎児、被爆による奇形発生 0.1〜0.2 Gy
被爆部位:精巣、被爆による一時的不妊 0.15 Gy
被爆部位:赤色骨髄、被爆による骨髄抑制(白血球減少) 0.5 Gy
被爆部位:卵巣、被爆による一時的不妊 0.6 Gy
被爆部位:全身、被爆による60日以内に50%が死亡 3〜5 Gy
被爆部位:皮膚、被爆による一時的脱毛 3〜5 Gy
被爆部位:皮膚、被爆による紅斑 6〜8 Gy
急性被爆の場合の不妊のしきい値(男性) 150mGy
急性被爆の場合の不妊のしきい値(女性) 600mGy
急性被爆の場合の催奇形のしきい値(女性) 100mGy
人間の被爆で奇形児が生まれた例はない、動物実験においてはあるので可能性があるとし、安全側に仮定している。
慢性被爆の場合の値は以上より高い(影響が少ない)
催奇形の可能性を考えるのは女性の妊娠初期(2〜8週)に被爆した場合のみ
10日規則 妊娠の可能性のある女性の放射線診断は月経開始から10日間(受精卵が存在しない)
妊婦の放射線診断 検査の種類により数値が規定されている。
部分被爆は全身被爆より影響が少ない
同じ量ならば慢性被爆は急性被爆より影響が少ない(人体同じ量ならば外部被爆と内部被爆に影響の違いはない
放射線治療は分割して行われるのは 人体に備わっている回復機能を利用するため、副作用を最小限にするため
医療、検査による被爆はほとんど部分被爆
急性被爆 短時間に一度に放射線を受けること
慢性被爆 ゆっくりと少量ずつ受けること
慢性被爆 職業上の通常の被爆
外部被爆 人体の外からの放射線、X線など
内部被爆 体内に取り込まれた放射線物質による、核医学検査、アイソトープ内服治療
赤色骨髄への被爆の可能性 25%が照射野に含まれている、化学療法を併用している
放射線防護の3原則 ?遮蔽する ?距離をとる ?時間を短くする
散乱線 対処のために医療関係者はプロテクターをするが、直接X線よりも弱い。プロテクターは患者のそばにいる場合のみ(検査を受ける患者より1.5〜2m離れると無視できるほどになる)
小児や不穏患者のX線照射のささえ ?原則は家族 ?プロテクターを必ずつける ?長い鉛入り手袋 ?可能な限り固定具
アイソトープ注入の注意点 ?時間を最小限にする ?容器に直接触れない(線源にアダプターをつける) ?体幹部の個人線量計以外に、リストバッジまたはリングバッジをつけ手の被爆線量を確認。 ?注射担当を交代して行う ?定期的に放射線教育を受講する
密封小線源治療 密封小線源(管・針・粒状)を癌組織に直接注入、または病巣の近くに置き照射治療
一時刺入 線源を一定期間で体内に挿入後、線源を抜き取る→最近はリモートアフターローディング(リモコン操作)が主流
永久刺入 前立腺癌患者にヨード125(弱いγ線、半減期の短い)体内に埋め込み抜糸しない。周囲の人々は被爆しない
ヨード131 X線よりもエネルギーの高いγ線を出す
ヨード内服療法 ヨード131の排泄物が汚染源になるので、線量率が基準値以下になるまで放射線治療病室で生活。法律での病院義務?教育訓練を行う ?個人モニターで線量を把握
ヨード131投与患者の清拭 前日に済ませる、例外的に必要な場合は投与翌日以降にする
ヨード131投与後経過 半減期と翌日には投与量の半分以下になる。排泄により減少。
ヨード131投与患者への翌日の清拭(20-30分)による被爆量 最大30〜40μSv
ヨード131投与患者へのケア 検温、配膳、コミュニケーションは通常通り(不用意に患者に密着しない限り)
ヨード131投与患者の面会注意事項5つ ?できるだけ何も持たず入室 ?専用の衣服スリッパ ?患者から1m離れた面会用椅子 ?面会時間は1時間程度 ?小さな子供の面会は最小限にする
外部被爆線量足底個人報告書 各放射線作業者の被爆線量を法律で毎月、各人に知らせる法律
放射線量計の装着部位(上段)3つ ?体幹部=胸部 ?腹部(女子) ?頭頸部
自然放射線 2mSV/年
看護の上での知識3つ ?防護のための3原則(距離、時間、遮蔽) ?CTとMRIの違い ?放射線と放射能と原爆の違い
放射線診療における看護の3要素 ?安全・安楽な環境の提供(放射線防護を含む) ?正しい知識の提供と患者の意思決定への意思への支援 ?放射線による副反応のマネジメントと個別に応じた患者指導
放射線治療 がん細胞の二重鎖切断
放射線治療の副作用の機序 活発に分裂する正常細胞が照射により損傷する。残存する正常細胞により修復過程で生じる炎症
放射性皮膚炎 照射損傷を受けた正常細胞の修復過程で生じる炎症
放射性脱毛 毛包細胞の増殖抑制による
放射性血球減少 骨髄細胞の増殖抑制による
癌の放射線治療の線量(Gy:グレイ = Sv:シーベルト) 2〜3Gy/回×毎日×週5回×2〜6週間=30〜60Gy(総量)
放射線の急性反応 照射開始90日まで
放射線の急性反応 照射開始後1〜3週間で生じることが多い、量とともに増加、照射期間中持続、治療終了数週間で自然軽快することが多い、適切な対症療法、生活指導で症状を緩和
放射線の遅発性反応 照射開始90日以上
放射線治療の副作用 全身性、局所性
放射線治療の主な全身性副作用2つ ?放射性宿酔 ?疲労感
放射線治療の主な局所的副作用 ?放射性皮膚炎
放射線の線種2つ ?X線 ?電子線(eletrom)
電子線の特徴 エネルギーをコントロールし到達距離が定まる。体表面で線量増加→皮膚炎
X線の特徴 ビルドアップ効果
ビルドアップ効果 X線照射は体を透過しエネルギーに応じて体表面より数cm深いところで線量が最大となる効果